観たコンテンツのメモを残します

映画、舞台、ドラマ、本など見聞きしたコンテンツの感想メモを残そうと思います。人に読まれることを前提としていていません(と一応書いておきます)ので、稚拙な文章はお許しください。

TEAM NACS 第17回公演MASTERPIECE〜傑作を君に〜

日本が混沌の急坂を駆け上ろうとしていた昭和27年。
真冬の熱海の温泉宿にも、駆け上りたい男たちがいた。彼らはシナリオライター
新作映画の脚本執筆のため、泊まり込みで原稿と向き合っている。
男たちは挑む!
まだ見ぬ傑作、【マスターピース】を求め、5人の侍が刀をペンに持ち変えて、未踏の軌跡を描ききる!
ときどき温泉に浸かりながら!

 

3年ぶりのTEAM NACS本公演。

今回は外部脚本家として喜安浩平、演出はマギーというスタッフが作品を手がけた。

2015年公演「悪童」での古沢良太による素晴らしい脚本により今回の期待値はかなり高かったが、かなり良い作品だったのではないかと思う。

 

プロジェクションマッピングを使用した演出で、オープニング(タイトル〜クレジット)の流れは「悪童」を踏襲している。

このオープニングから、今回は完全にコメディを見る感覚で良いのだなとわかり、それ以降はなんとなく気持ちに余裕を持って見ることができる。

作中の説明書きが数回投影されるが、サイレント映画の中間字幕のような雰囲気があるなど、たまに映画を思わせる演出が細かくて良い。

映画を思わせる演出としていうと、最後の終わり方が、傘と映画のフィルムが回る様子を重ね合わせ綺麗な締めくくりだった。

作中に脚本家たちが書いていた本に出てくる登場人物(花と虎次郎)が登場して終わるという幕切れは綺麗であり、物語の中で生き続ける人物が描かれる開かれたエンディングは気持ちが良い。

 

コメディで進めるとはじめから分かってはいたが、黒澤明のくだりは全く回収されることはなく・・(5人の侍のシーンは長すぎた・・面白かったけど)、笑いに走ったところが多すぎるのではないかと思ってしまう。

それぞれ5人が一人二役を演じ分けており、早着替えや声のトーンの変化に注目される。演じ分け自体がコメディ要素になっており、大泉洋演じる灰島と女中(小泉)が会いたいのに必ず会えないというくだりは笑える。

笑いが起きていたが安田が演じていた女中役はかなり上手で、トランスジェンダーを演じていた「問題のあるレストラン」を思い出させる。

コメディシーンといえばまくら投げのシーンでは、アクティングエリアから落ちたまくらを、残りの人が足を押さえながら取りに行っていたところは笑った。

 

緊急事態宣言中ということもあり、21時までには終演しないといけないという制約のもと、急ぎ気味でカーテンコールの挨拶がされた。

 

音尾・・・カリー軒に行こうとし、おばちゃんに電話をしたところ、ファンが来ていたようだったのでやめた。

大泉・・・カリー軒に行こうとし、混んでることを知りテイクアウトした。

戸次・・・知り合い(お名前忘れてしまいました)がラーメン屋(お名前忘れてしまいました)を始めたので、よろしく。

安田・・・客席に学生時代の恩師(「あいつ今何している?」に登場)がいることを見つける。

森崎・・・コロナ禍でPCR検査を受けながら公演を続けてきたこと。千秋楽のライブビューイング、WOWOWで始まる新番組の宣伝。

最後の森崎の挨拶は、自分で飛沫防止のため口をガードしながら「ありがとうございました」と叫んでいた。

 

鑑賞後の気分がとても心地よい作品だった。

www.teamnacs.com